慰謝料を請求するための有効な証拠とは
浮気や不倫で慰謝料を請求するためには、まずは証拠を押さえなければなりません。
証拠になるものは色々ありますが、慰謝料請求に有効な証拠には何が挙げられるのでしょうか?
今回は不貞行為の慰謝料請求が有利になる証拠についてご紹介します。
慰謝料請求における証拠の重要性
不貞行為の事実を認めさせ、慰謝料の要求を通すためには証拠の提出は必須です。しかし、証拠を出したからといって慰謝料の金額が挙げられるわけではありません。
慰謝料の相場は100~300万円が相場ですが、不貞行為の期間や回数、婚姻関係の長さ、子どもがいるかどうかなど、様々な要素を配慮して算定されます。
そのため、証拠が増額の直接関わっているわけではありません。
ただ、証拠が多ければ不貞行為の事実をより多く認めることができ、悪質性の判断材料にはつながるでしょう。
慰謝料に増減に直接関わらなくても、証拠の数が多いに越したことはないと言えます。
不貞行為の慰謝料請求で使える証拠の種類
不貞行為の慰謝料請求で有力な証拠となるものには、次のものが挙げられます。
不貞行為を押さえた写真や動画
配偶者と不貞相手がホテルやお互いの家を出入りする写真や動画は証拠になります。
また、配偶者のスマホやパソコンなどに性行為やそれに近い写真や動画があれば、肉体関係があるとはっきり裏付けられるので証拠として有力です。
不貞行為を確認できる音声データ
配偶者と不貞相手が交際関係にあることが想定できる会話や、不貞の事実を認めている内容の音声データも証拠となります。
音声データは配偶者のバッグや車などにボイスレコーダーを忍ばせておけば、不倫相手と会った時の会話を録音可能です。
ただし、不倫相手など他人の家や敷地に許可なくボイスレコーダーを入れて録音する行為は盗聴となり、証拠どころか犯罪行為なので注意してください。
不貞行為を連想させる会話があったメールやSNS
配偶者と不貞相手のメールやSNSのやりとりも内容次第では証拠となります。具体的には、肉体関係が分かる内容や今の配偶者と別れて一緒になりたいような趣旨の会話などが証拠として有力です。
デート中の写真なども一緒に添付されている可能性があるので、可能であれば画像も証拠として押さえておくと良いでしょう。
ラブホテルや不倫旅行などが推測できる領収書
ラブホテルや見覚えのないホテルや旅館など不倫旅行を推測できる領収書も証拠として提出可能です。
クレジットカードの明細もラブホテルなどを利用した記録があれば、証拠に使えます。
探偵や調査会社の報告書
証拠集めは自分で集めるだけではなく、探偵や興信所、調査会社に依頼する方法もあります。
探偵や調査会社はホテルを出入りする写真や目撃情報を記録した報告書をくれるので、それも慰謝料請求の証拠に活用可能です。
慰謝料請求が難しい証拠とは?
証拠の中には慰謝料請求が難しい証拠もあるので、具体的に何が該当するのかご紹介しましょう。
デートやキス・ハグの写真
デート中の写真や男女がキスまたはハグしている写真は不貞行為の証拠としては弱い傾向にあります。
法律でいう不貞行為とは、肉体関係があったかどうかが焦点になります。そのため、ただデートや食事をしている、2人が密着しているだけの写真だけでは不貞の事実を証明しにくいので、証拠として弱いのです。
ビジネスホテルへの滞在記録や出入りの写真
一緒にホテルを利用したからといって、ビジネスホテルの出入りでは不貞行為とは認められない可能性があります。
ラブホテルであれば肉体関係があったと推測できますが、一般利用が多いビジネスホテルの場合、肉体関係があったとは断定しづらいです。
例えば、相手は同じ会社の人間だった場合、出張で同じビジネスホテルを利用し、実際はそれぞれ別室で過ごしていたという可能性も否定はできないでしょう。
他にも浮気や不倫と裏付ける証拠がない限り、ビジネスホテルを利用した記録だけでは有力な証拠になりません。
また、ラブホテルでもチェックインからチェックアウトまでの時間が30分以下と短い場合、性行為が行われた可能性は低いと見なされる場合もあります。
出入りする写真や動画だけではなく、ホテルの滞在時間も重要なポイントです。
日常的なやりとりのメール・SNS
頻繁に他の異性とメールやSNSでやり取りをしていても、それが単なる日常的な会話であれば不貞行為があったとは断定できないです。
また、メールやSNSで「好き」など好意を示すようなメッセージが残されていることもあるでしょう。
不倫や浮気の証拠になりそうな気はしますが、ただ好意を示す内容だけでは不貞行為があったとは認められないので注意してください。
証拠集めはプロに任せた方が良い
証拠集めは自分で行うことができますが、できれば探偵や調査会社などプロへの依頼がおすすめです。
不倫や浮気の調査のためといい、過度な行為はプライバシーの侵害にあたり、逆に訴えられる恐れがあります。
また、証拠集めであることを配偶者や不貞相手に感づかれると、重要な証拠を消されてしまう可能性もあるでしょう。
他にも、個人での調査ではできることに限界があります。
その点、探偵や調査会社は尾行や素性調査などを認められている業者であり、写真撮影や盗聴器の設置なども合法的に行うことが可能です。
また、証拠集めの経験も豊富なので、有力な証拠を相手に知られることなく集めてくれます。
特に有力な証拠となりやすい動画や写真などの撮影はプロに任せた方が安心でしょう。
他にも不倫や浮気の疑惑はあっても、相手がどこに住んでいるか分からない場合、探偵や調査会社なら住所の割り出しもできます。
まとめ
配偶者や不貞の相手に慰謝料を請求する場合は、肉体関係が推測できる写真や動画、メッセージのやり取り、領収書などが有力な証拠となります。
ただ、集めた証拠のどれが請求に効果的なのか判断しづらいものばかりというケースも多いでしょう。
そんな時は、些細な証拠でも弁護士に相談すると、証拠になるものとならないものの判断や請求のアドバイスをしてくれるのでおすすめです。