不倫慰謝料を請求された場合の弁護士に依頼するメリット
突然の不倫慰謝料請求、当然、誰でも動揺します。
慰謝料請求する方は、不倫を知っときのショックを乗り越え、この日のために着々と準備を進めてきたはずです。一方、請求される方は、混乱した頭の整理から始まり、急に怖くなって、思考が停止してしまい、無視を貫こうとする人もいます。あるいは、直面する問題から逃れるために、相手の言いなりになって高額の慰謝料を支払う人もいるでしょう。弁護士からすると、どちらもアウトです。
このようなときは、まず、弁護士に相談しましょう。弁護士に依頼すれば以下のようなメリットがあります。
無理難題な要求の阻止
通常、慰謝料請求してきた場合の最初の金額は、相場よりも高めのことが多いです。
やや高めというのであれば、後に解説する減額交渉で対処することになりますが、なかには数千万円の慰謝料請求や、「会社を辞めろ」「引っ越せ」といった無理難題な要求をしてくる場合もあります。
このような場合、むしろ、裁判まで持ち込んだ方が、証拠により客観的で妥当な内容の解決が期待できます。弁護士が代理人であると示して、裁判も辞さない覚悟を相手に見せることが、こういった法外な要求を牽制できます
減額等の交渉
不倫の慰謝料請求するためには、①故意又は過失、②加害行為、③損害の発生、④②と③の因果関係の要件を充たすことが必要です。
慰謝料請求された場合、依頼を受けた弁護士は、まずこれらの要件があるかどうか精査します。
不法行為責任の否定
不倫相手が結婚していることを知らなかった場合は、①の故意過失がないことを理由に、そもそも責任は負わないことを主張します。
また、結婚していることを知っていたとしても、不倫開始当時からすでに相手方夫婦の婚姻生活が破綻していた場合は、もはや③の損害があるといえないことを理由に、相手の請求を拒んでいきます。
慰謝料の減額
故意過失の反証、婚姻生活破綻の反証ができなかった場合でも、弁護士としては、過去の判例に照らして、以下のような減額要因を立証して、減額交渉に入っていきます。
- ・請求額が慰謝料相場を上回る
- ・不倫期間が短い
- ・不貞行為の回数が少ない
- ・不倫相手が主導で、積極的であった
- ・不倫相手が会社の上司、取引先で断り切れなかった
- ・夫婦仲が悪かった
- ・夫婦間で離婚が成立し、財産分与の中で不倫相手の配偶者が慰謝料をもらっている
- ・加害者の収入、資産が少ない
- ・不倫相手の配偶者の知れるところになってから、不倫関係をやめ、会わないようにした
- ・反省し、謝罪している
- ・不倫関係がバレて会社を退職するなど、社会的制裁を受けている
いずれも、判例に関する豊富な知識や日常業務として数多くの交渉に携わっている弁護士であればこそ、可能な駆け引きです。依頼者には必要な証拠の集め方を指南しつつ、十分にその意向を汲んだ上で、相手方とは粘り強く交渉にあたります。
将来の紛争を回避
慰謝料金額についての交渉を経て、合意が得られた場合には、弁護士が責任をもってその内容を示談書等の書面にします。
単なる口約束をしただけでは、再度慰謝料請求されるおそれがあり、終局的な解決が果たされません。弁護士に依頼すれば、その後予想されるトラブルについての対処も含めた内容を、適切な要式をもって書面化します。
精神的負担の軽減
不倫相手の配偶者には通常は会いたくないものです。また、不倫慰謝料を請求する側・される側が直接交渉したところで、納得のいく話し合いができることはあまり多くありません。
この点、弁護士に依頼すれば、弁護士が代理人として書面作成、電話対応、交渉を行います。裁判に発展した場合においても、弁護士が選任されていれば、当事者尋問を行う場合以外は依頼者本人が出廷する必要はありません。なお、尋問が行われる場合には、想定される質問をもとに念入りに打ち合わせを行いますので、孤立無援という状況にはなりません。
また、裁判所から送られてくる訴状は代理人の弁護士が受け取ることができます。これにより、不倫や裁判の事実を同居の家族に知られるリスクも軽減されます。
さらに、相手からの請求態様が強要罪や恐喝罪等の犯罪行為に該当する場合には、速やかに警察に被害届けを出すなどの法的措置をとると同時に、慰謝料減額の主張も行います。
このように依頼者を交渉や裁判に対するストレスから開放し、さらには従来通りの日常生活を送れるように手を尽くします。
まとめ
慰謝料請求された方は自責の念もあるため、相手との交渉において対等に渡り合うというのは、なかなか難しいものです。その上、「裁判になったらどうしよう…」「家族・知人に知られてしまうのでは…」といった恐怖からくるストレスも小さくありません。
弁護士に依頼すれば、弁護士があなたに代わって交渉から解決まで全面的にカバーします。そして、できるだけ早い段階で相談すれば、早期にストレスから解放されるだけでなく、より多くの選択肢を得ることができます。裁判になってから、ではなく、裁判になる前に、弁護士にご相談ください。