配偶者と大学生が不倫していた場合、慰謝料は請求できるのか?

配偶者と大学生が不倫していた場合、慰謝料は請求できるのか?

配偶者が不倫をしていた場合、配偶者と不倫相手に慰謝料を請求することができます。
しかし、不倫相手が大学生の場合に慰謝料を請求することは可能なのでしょうか?
今回は、不倫相手が大学生だった場合の慰謝料請求について解説します。
大学生にも不倫慰謝料を請求することができるのかという点と併せて、慰謝料請求をするための条件、慰謝料請求をする前に確認すべきことなどについても紹介しています。
不倫相手の大学生に慰謝料を請求するかお悩みの方は、参考にしてください。
 

配偶者が不倫していた相手が大学生の場合、慰謝料は請求できる?

 
配偶者の不倫が発覚し、その不倫相手が大学生だった場合には大きな衝撃を受けることでしょう。
大学生というと18歳~になるため、場合よっては未成年の可能性があります。
そして、成人を迎えていたとしてもまだ学生なので、社会人のように収入があるわけではありません。
大学生の不倫相手に対して慰謝料を請求することは可能なのでしょうか?
 

1.不倫の定義とは

 
そもそも不倫の慰謝料を請求するためには、不倫の定義について知っておかなければなりません。
「二人で食事に出掛けたら不倫だ」「頻繁に連絡を取っているのは不倫」など不倫の線引きの考え方には個人差があるでしょう。
しかし、法律上において不貞行為(不倫)は、「配偶者以外の人と肉体関係を持つこと」と考えられています。
そのため、連絡を取り合っていたりデートをしたりしていただけでは、不倫とは認められない可能性が高いです。
 

2.配偶者に慰謝料を請求できる

 
配偶者が不倫をしていた場合、配偶者に対して慰謝料を請求することができます。
不貞行為は法律上で守られるべき夫婦生活の平和を維持する権利を侵害する行為であり、「不法行為」に該当します。
そして、不法行為があった場合、加害者は被害者に損害を賠償する責任を負います。(民法第709条)
そのため、不貞によって受けた精神的苦痛への損害賠償金として慰謝料を請求することが可能です。
 

3.未成年にも慰謝料は請求できる

 
不倫は、不倫をした配偶者と不倫相手の二人が共同して行う「共同不法行為」です。
共同不法行為があった場合、加害者は共同して損害を賠償する責任を負います。(民法第719条)
つまり、不倫の場合は不倫をした配偶者と不倫相手が二人で慰謝料を支払う責任を負うことになるため、不倫相手にも慰謝料を請求することが可能です。
そして、それは未成年の大学生に対しても慰謝料を請求できます。
 
未成年者の損害賠償については「他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知識を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない」と法律で定められています。(民法第712条)
この部分だけを見れば未成年者には慰謝料を請求できないように思われてしまいますが、自己の行為の責任を弁識するに足りる知識を備えていないとされるのは一般的に18歳未満の子どもであると考えられます。
そのため、未成年者でも大学生ならば事故の行為の責任は弁識できると考えられ、慰謝料を請求することが可能です。
 

大学生の不倫相手に慰謝料を支払ってもらう場合の方法

 
大学生の不倫相手に慰謝料を請求することはできますが、学生なので慰謝料を払えるお金がないと言われてしまうことも少なくありません。
大学生の不倫相手に慰謝料を支払ってもらう場合には、次の方法を提案することができます。
 

1.分割で支払ってもらう

 
学生なので一度に大きな金額を用意することができないという主張を相手が行う場合には、分割払いで支払うことを提案できます。
分割払いであれば、大学生でもバイト代やお小遣いなどから少しずつでも支払いやすいはずです。
ただし、相手が全額を支払うまで毎月振り込みをしてくれるという保証はありません。
そのため、分割で支払ってもらう場合には、支払いが遅れた場合のペナルティを決めておくことをおすすめします。
一般的には、遅延損害金の支払いや、残りの一括払いなどのペナルティを決めて合意書に記しておきます。
また、公正証書で示談書を作成すれば、相手が約束通りに支払わない場合に強制執行による財産の差押えが可能になります。
 

2.保護者に支払ってもらう

 
不倫相手の大学生が慰謝料支払うことが難しい場合、その不倫相手の保護者に支払ってもらうという方法もあります。
働いていないという理由で慰謝料の支払い能力がないのであれば、その大学生の保護者に請求することで慰謝料を支払ってもらえるかもしれません。
多くの親は子どもの将来の心配や、誤った行動への責任を感じて慰謝料を代わりに支払います。
相手の保護者に請求する場合には、その保護者に示談書の署名や押印をしてもらうようにしましょう。
 

3.借金して支払ってもらう

 
分割払いはリスクがあるため一括で支払って欲しいと考えても、不倫相手本人がお金を用意できない場合や、相手の保護者に請求して断られてしまった場合には、不倫相手の大学生に借金をして支払ってもらう方法しか残りません。
ただし、借金を無理強いさせることはできないため、慰謝料の支払い方法として借金があるということを伝えます。
大学生が借金するとなれば借入できる金額は少ないため、慰謝料を一括で支払ってもらうには少額になると考えられます。
 

年齢は慰謝料の金額に関係するのか?

 
配偶者が大学生と不倫をした場合の慰謝料の相場金額は、50~300万円と一般的な不倫慰謝料の金額と相違はありません。
なぜならば、慰謝料は被害者の損害の大きさによって決められるからです。
そのため、不倫相手が大学生でも社会人でも金額に影響はしないということになります。
 
不倫の慰謝料の金額を決める要素としては、婚姻期間の長さや子どもの有無、離婚の有無、不倫期間の長さ、不倫発覚後の反省の態度などが挙げられます。
婚姻期間が長くて夫婦に子どもがいれば、慰謝料の金額は増額される傾向にあります。
一方で、不倫関係が一度きりで相手が反省していれば、慰謝料の金額は減額される可能性があります。
 

大学生の不倫相手に慰謝料を請求するための条件

 
不倫相手に慰謝料を請求するには、いくつかの条件を満たしていなければなりません。
大学生であっても社会人であっても慰謝料を請求するための条件は同じです。
次の条件を満たしているか確認してから慰謝料の請求を行うようにしましょう。
 

1.肉体関係がある

 
不倫の定義で解説しましたが、不貞行為は配偶者以外の人と肉体関係を持つことだと考えられています。
そのため、肉体関係のないプラトニックな関係だった場合には慰謝料を請求することができません。
一度でも肉体関係があれば、慰謝料を請求することができます。
 

2.夫婦関係が破綻していなかった

 
配偶者が不倫を始めた時に、すでに夫婦関係が破綻していたようなケースもあるでしょう。
この場合、不倫は夫婦関係を破綻させた原因とは言えません。
夫婦には法律上で守られるべき婚姻生活の平和を維持するための権利がありますが、夫婦関係が破綻していればその権利も存在しないと考えられます。
そのため、慰謝料を請求する権利はないと考えられ、慰謝料を請求することができません。
一方で、配偶者が不倫を始めた時に夫婦関係が円満だったという場合には、慰謝料を請求することができます。
 

3.不倫の証拠がある

 
慰謝料を請求する際には、慰謝料を請求する原因となった行為を証明できる証拠が必要になります。
不倫の場合であれば、肉体関係があったことを証明できる証拠です。
ホテルに出入りしている写真や、ホテルや旅行の領収書、不倫を自白するメール内容などが挙げられます。
こうした証拠がない場合、相手は不倫を否定する恐れがあります。
裁判で慰謝料を請求する場合にも証拠の提出がなければ慰謝料の請求は認められないため、慰謝料請求の前にしっかりと証拠集めを行いましょう。
 

大学生の不倫相手に慰謝料を請求する前に確認すべきこと

 
大学生の不倫相手に慰謝料を請求する前に、いくつか確認しておくべきことがあります。
次の3つの点について確認を行ってください。
 

1.本当に大学生か?

 
不倫をした配偶者が大学生だと思って肉体関係を持ったとしても、実は相手が年齢や身分を偽っている可能性があります。
大学生だと言っていたものの実際は高校生で18歳以下だったというようなケースもあるでしょう。
もし18歳未満の相手と性交渉を行ってしまった場合は、児童福祉法によって罰せられる恐れがあります。
児童福祉法違反に該当する場合、懲役や罰金刑が科せられることになります。
 

2.配偶者が独身と偽って交際していないか?

 
大学生と不倫をするために、配偶者が独身だと偽って肉体関係を持つようなケースもあるでしょう。
この場合、不倫相手は故意に不倫関係になったとは言えません。
不貞が不法行為として成立するには故意や過失が必要です。
配偶者が独身と偽っていたのであれば、不倫相手に故意や過失はないとして慰謝料の支払い義務は生じません。
 
反対に、大学生の不倫相手からすれば、既婚者と知っていれば肉体関係を持たなかったことが想定されます。
そうすれば、貞操権を侵害されたことになるため、身分を偽った配偶者に対して慰謝料を請求することができます。
不倫相手の大学生に慰謝料を請求することで配偶者が既婚者であることを隠していたことが判明すれば、相手から慰謝料請求を受ける可能性があると言えます。
そのため、配偶者と離婚しないのであれば、不倫相手に慰謝料を請求する前に独身と偽っていなかったのか確認しておくべきでしょう。
 

3.相手の情報が必要

 
不倫相手に慰謝料を請求するには、相手の情報が必要です。
誰か分からない相手に慰謝料を請求することはできません。
電話やメールなどでも慰謝料を請求することはできますが、一般的には内容証明郵便で送付することが多いため、相手の名前と住所が必要になります。
住所が分からなくても電話番号が分かっていれば、弁護士に依頼して電話番号から住所を割り出すことが可能です。
 

大学生の不倫相手に慰謝料を請求する際の注意点

 
大学生の不倫相手に慰謝料を請求する際には、慰謝料請求後のトラブルを避けるために注意すべき点があります。
次の点に注意しながら慰謝料の請求を進めてください。
 

1.未成年の場合は示談書に相手の親にも署名してもらう

 
不倫相手の大学生が未成年だった場合には、示談書は相手の親にも署名してもらうことをおすすめします。
示談が成立しても相手が必ず慰謝料を支払うとは限らないため、親の署名があれば親に代わりに支払ってもらう約束ができます。
親に署名してもらうことで、「子どもが勝手にやったことなので関係ない」と示談が取り消しにされてしまうことも予防できます。
 

2.不倫関係の清算と接触禁止に合意してもらう

 
配偶者と離婚しない場合には、示談の際に不倫関係の清算と接触禁止にも合意してもらい、記載することが大切です。
もし不倫関係の清算や接触禁止を約束してもらわなければ、「一度慰謝料を支払ったのだから、これからは関係ない」といって配偶者と関係を再開させてしまう恐れがあります。
相手は年齢も若くて恋愛にのめり込みやすい可能性があるので、関係をきちんと清算するようにお願いするようにしましょう。
 

3.示談書に口外禁止条項を入れる

 
示談書には、口外禁止条項を入れておくことも大切です。
口外禁止条項とは、不倫のことを他人に話すことを禁止する条項です。
この口外禁止条項を入れることで、会社や近所の人などに不倫をバラされたりすることや、SNSで不倫関係のことを拡散されたりすることを予防できます。
 

4.離婚しない場合は求償権の放棄に合意してもらう

 
配偶者と離婚しない場合は、相手に求償権の放棄に合意してもらうようにしましょう。
求償権とは、自分が払いすぎた賠償金を共同不法行為者に請求することができる権利です。
不倫の慰謝料の支払いは、本来であれば不倫をした配偶者と不倫相手の二人で連帯して責任を負います。
しかし、離婚しないのであれば配偶者には慰謝料を請求しないため、不倫相手にだけ慰謝料を請求することになります。
この時に、不倫相手の責任を超える慰謝料を請求して支払ってもらえば、後から求償権を行使されてしまう恐れがあるのです。
そのため、不倫相手の責任を超えるような金額で請求しないようにすることや、求償権の放棄に合意してもらうことが大切です。
 

まとめ

 
今回は、不倫相手が大学生だった場合の慰謝料請求について解説しました。
不倫相手が大学生でも社会人でも、立場は関係なく不倫の慰謝料を請求することができます。
ただし、社会人と違って支払い能力がないため、分割払いや親への請求など通常の慰謝料請求とは異なる対応が必要になる可能性があります。
大学生相手への慰謝料請求を適切にスムーズに進めたい場合は、弁護士にご相談ください。

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