不倫慰謝料は相手の親に請求できる?確実に慰謝料を獲得するためにできること

不倫慰謝料は相手の親に請求できる?確実に慰謝料を獲得するためにできること

配偶者が不倫をしていた場合、配偶者と不倫相手に慰謝料を請求することができます。
しかし、相手に慰謝料を支払う経済的余裕がない場合もあるでしょう。
そういった場合には、支払えない本人の代わりに親に慰謝料を請求することは可能なのでしょうか?
 
今回は、相手の親への不倫慰謝料の請求について解説します。
本人が慰謝料を支払えない場合の対処法や、請求する際の注意点も紹介しているので、併せて参考にしてください。
 

不倫慰謝料は相手の親にも請求できる?

 
不倫慰謝料を請求しても、相手に慰謝料を支払う余裕がないようなケースもあります。
本人が払えないのであれば、親に代わりに責任を取ってもらいたいと考える方もいるでしょう。
不倫慰謝料は相手の親にも請求できるのでしょうか?
 

1.不倫慰謝料の請求は加害者のみが対象

 
そもそも不倫慰謝料とは、不法行為である不貞(不倫)によって受けた精神的な苦痛に対する損害賠償を指します。
不法行為とは他人の権利や利益を侵害する行為で、不法行為があった場合は被害者に対して加害者は損害を賠償する責任が生じることが法律で定められています。(民法第709条)
そのため、不倫をした配偶者と不倫相手には損害賠償責任が生じます。
 

そして、子供に責任能力が無ければ親が責任を負うことも法律で定められていますが、それは未成年の場合に限ります。(民法第714条)
そのため、不倫慰謝料は加害者である本人のみが責任を負うものであり、親に対して慰謝料を請求することは認められません。
 

2.相手の親が任意で支払うならば問題ない

 
不倫慰謝料を本人が支払えないからといって親に請求することはできませんが、相手の親に代わりに支払ってもらえるようなケースもあります。
それは、親が任意で支払うことに合意した場合です。
本人が支払えない代わりに親が支払うことに合意したのであれば、相手の親に支払ってもらうことに問題はありません。
ただし、支払いを強要や脅迫することは違法です。
 

不倫相手が学生だった場合は親に請求できる?

 
不倫慰謝料は不倫相手にも請求することができますが、不倫相手が大学生など学生だったというようなケースもあるでしょう。
しかし、学生の場合は慰謝料を支払う経済的余裕はないと考えられます。
相手が学生ならば、代わりに親に不倫慰謝料を請求することはできるのでしょうか?
 

1.基本的に親には請求できない

 
不倫相手が学生であったとしても、既婚者と知りながら不倫していたのであれば慰謝料を支払う責任が生じます。
そのため、社会人なのか学生なのかは関係なく慰謝料を請求できます。。
しかし、学生の場合は仕事をしていないため収入がなく、慰謝料を支払うことが難しいケースもあります。
そうはいっても学生で支払えないからという理由で親に請求することは認められません。
 

2.親に保証人になってもらうことはできる

 
不倫相手が学生だった場合、慰謝料の不払いが生じる恐れがあります。
支払うことに合意したものの実際には振り込まれないようなケースや、分割での合意が途中から履行されなくなるようなケースもあるでしょう。
こうしたリスクを回避するために、親に保証人になってもらうという選択肢があります。
慰謝料も債権と同じ扱いになるため、本人が支払いを履行しなければ保証人に支払いを求めることが可能です。
ただし、親に保証人になってもらうには、親本人の合意が必要になります。
 

不倫慰謝料を払ってもらえないので親に請求したいと考える場合にできること

 
請求した不倫慰謝料が払ってもらえないので親に請求したいと考えるようような状況に陥ったとしても、親に不倫慰謝料を請求することはできません。
経済的な問題で慰謝料の支払いが困難な場合や、慰謝料の支払いに合意してくれない場合、次のような方法での対処を検討してみましょう。
 

1.慰謝料の値下げ交渉に応じる

 
相手に慰謝料の支払い能力が無い場合や、慰謝料交渉でなかなか合意が得られないという場合には、慰謝料の値下げ交渉に応じるという選択肢があります。
慰謝料の金額が低くなれば、相手も支払えるようになる可能性が高まります。
また、相手が慰謝料の金額に納得していなくて示談が成立していない場合であれば、値下げ交渉に応じることで解決へ向かうことでしょう。
しかし、あまりにも低い金額で合意すれば問題解決後に後悔する可能性もあるため、どれくらいの金額で合意するのかはじっくり検討すべきです。
 

2.慰謝料の支払いを分割払いにする

 
相手に慰謝料の支払い能力がないという場合には、慰謝料の分割払いを提案するという選択肢もあります。
分割払いにすれば、相手に収入が少ないような場合でも支払いやすくなるでしょう。
ただし、分割払いが可能なのは当事者同士の協議で示談する場合です。
裁判になれば慰謝料の分割払いは認められず、一括払いになります。
 

3.お金を借りてもらう

 
お金がないという理由で慰謝料を支払えずにいるのであれば、お金を借りてもらうという方法もあります。
親や兄弟姉妹、友人などにお金を借りてもらえば、そのお金で慰謝料を支払ってもらえます。
周囲の人に頼れない場合であれば、消費者金融などで借入れることもできます。
もちろん慰謝料を支払う側が任意で行うことですが、お金を借りるという選択肢もあることは提案できるでしょう。
 

4.慰謝料の代わりに財産分与で多くもらう

 
離婚をする場合、夫婦が婚姻期間中に協力して築いた財産は「財産分与」によって分割されます。
専業主婦の場合でも家事や子育てなどで財産形成をサポートしたと考えられるため、原則的に財産分与は夫婦で2分割されます。
しかし、相手が慰謝料を支払うことが難しい場合、財産分与で慰謝料分を多く分与してもらうという方法があります。
離婚するのであれば財産分与は必ず請求できるので、慰謝料の代わりに多く共有財産を分けることを提案してみましょう。
 

5.裁判で請求する

 
慰謝料の示談交渉が進まない場合や、相手が慰謝料の支払いを拒否している場合には、裁判で請求することができます。
裁判所からの通知を無視すれば相手は不利になるだけなので、無視できないはずです。
そして、裁判になれば最終的には和解や判決で必ず何らかの結論が出ます。
裁判によって慰謝料の支払いが決まったのであれば、相手が和解案や判決内容に従わない場合、強制執行による財産の差押えが可能です。
 

不倫慰謝料を払えない相手に請求する際の注意点

 
不倫慰謝料を支払うことが経済的に難しいというような相手に慰謝料を請求する場合、いくつか注意すべき点があります。
あらかじめ次の点について知っておき、注意するようにしましょう。
 

1.分割払いはリスクもある

 
相手が慰謝料を支払う金銭的余裕がなければ、分割払いで合意するようなケースもあるでしょう。
しかし、分割払いは相手が支払いの最後まで履行するかどうかという点が問題になります。
途中で相手が支払うことを止めてしまい、トラブルに発展するようなケースも少なくありません。
分割払いで合意する場合には、強制執行許諾文言付き公正証書を作成するようにしましょう。
強制執行許諾文言付き公正証書があれば、公正証書の内容通りに履行されない場合に裁判をすることなく強制執行による財産の差押えが可能になります。
 

2.一度示談が成立すれば追加で請求することはできない

 
示談が成立して慰謝料を支払ってもらった後に、「慰謝料の金額が低すぎた」「示談内容にやっぱり納得できない」と考えるようなケースもあるでしょう。
しかし、一度示談が成立してしまえば、その内容を覆すことは簡単ではありません。
慰謝料の追加請求に関しては、合理的な理由がなければ請求は認められない可能性が高いです。
そのため、示談する際には後悔がないようにじっくりと検討し、納得した上で合意すべきだと言えます。
 

3.払ってもらうには相手の合意が必要

 
相手が慰謝料を支払えないからといって、相手の親に支払うように脅迫や強要してはいけません。
「慰謝料を払わなければ会社に不倫をバラす」「慰謝料を支払うまで嫌がらせする」などという発言は脅迫になります。
脅迫や強要は違法行為なので、場合によってはあなたが刑事罰を科せられたり慰謝料を請求されたりすることになってしまいます。
そのため、脅迫や強要になるような発言や行為には注意しましょう。
 

確実に慰謝料を獲得するためにすべき5つのこと

 
確実に慰謝料を獲得するには、慰謝料請求の前にしっかり準備をすることが大切です。
そして、適切に慰謝料請求を進めましょう。
確実に慰謝料を獲得するためにすべき5つのことをご紹介します。
 

1.不倫の証拠を集める

 
不倫の慰謝料を請求する場合、相手が不倫をしていたことを立証できる証拠が必要です。
証拠がない状態で慰謝料を請求すれば、相手は不倫を否定する可能性があります。
もし裁判で請求することになった場合も、証拠がなければ慰謝料請求は認められないでしょう。
そのため、慰謝料を請求する前にしっかりと証拠を集めておきましょう。
 

不倫の証拠とは、「肉体関係があったことを証明できる証拠」を指します。
ホテルに出入りする写真や動画、不倫相手の家に宿泊している写真、肉体関係があることのわかるメッセージ内容、ホテルや旅行の領収書などが証拠として挙げられます。
自白も証拠になるため、不倫を自白する内容のメッセージや書面も証拠として認められます。
どうしても証拠が見つけられない場合には、探偵に依頼して証拠を集めてもらうことも可能です。
 

2.内容証明郵便で慰謝料を請求する

 
裁判外で慰謝料を請求する場合、請求する方法が決められているわけではありません。
電話やメール、直接会って話すなどの方法で請求することができます。
しかし、慰謝料の請求は内容証明郵便という郵便サービスを利用して書面を送付することが一般的です。
内容証明郵便は、いつ・誰が・誰に・どんな内容の書面を送付したのか証明できる郵便サービスです。
そのため、相手に慰謝料請求をしたことや、相手が慰謝料請求を受け取ったことを証拠として残すことができます。
裁判になった場合も証拠として提出することができため、慰謝料請求は内容証明郵便を利用することをおすすめします。
 

3.適正な金額で交渉する

 
不倫の慰謝料の金額は法律で定められているわけではありません。
慰謝料は請求者の言い値で請求することができますが、慰謝料には相場があります。
不倫慰謝料の場合、50~300万円が相場です。
裁判では婚姻歴や子供の有無、不倫の悪質性などが考慮され、慰謝料の金額が決められます。
 

あまりにも高額な金額で請求をすれば、相手が支払えないことや、支払いを拒否するようなことが起こる可能性は高まります。
反対に、低すぎる金額を提示して示談が成立した場合には、後から適正金額を知って後悔するかもしれません。
こうしたことを避けるためにも、ご自身の状況に応じた適正な慰謝料の金額を知ることが大切です。
適切な慰謝料の金額を知りたい場合には、弁護士に相談してみましょう。
 

4.示談書は公正証書で作成する

 
示談が成立すれば、示談内容を書面にする「示談書」を作成します。
示談書を作成すれば言った・言わないというトラブルを避けられますし、示談が成立したことを証拠として残すことができます。
示談書は自由に作成することができますが、公正証書で作成すれば証拠能力が高まります。
公正証書とは、公正役場にて公証人が作成する書面です。
慰謝料など金銭に関する示談書内容の場合、強制執行文言付きの公正証書にすることをおすすめします。
そうすれば、相手が約束通りに支払わなければ公正証書内容に沿った財産の差押えが可能になります。
 

5.弁護士に相談する

 
不倫の慰謝料や離婚に関する問題が起こった場合、弁護士に相談しましょう。
弁護士に相談すれば法的に問題を解決するための方法を知ることができ、今後どのように対処すべきか目途を立てられるようになります。
依頼すれば慰謝料請求の書面作成や相手との交渉、示談書の作成まで全てを任せることが可能です。
裁判に発展する場合には裁判手続きなども全て任せられますし、離婚問題に発展するのであれば財産分与などの金銭問題も任せられます。
一人で問題を解決するには精神的な負担も大きいですが、弁護士は心強い味方になってくれるでしょう。
 

まとめ

 
今回は不倫慰謝料を親に請求したい場合の対処法について解説しました。
不倫慰謝料は不倫をした当事者にしか請求することはできないため、親に請求することは認められません。
しかし、任意であれば支払ってもらうことはできますし、保証人になってもらうことや、慰謝料の分割払いや減額交渉など対処法は複数あります。
示談後に後悔しないためにも、慰謝料請求の前に弁護士に相談して最適な解決方法を検討してみてください。

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